第2回は多肉植物の光合成について。多肉植物にどのような特徴があるのかを紹介します。
第1回の一般的な光合成の記事はこちら
多肉植物の光合成(CAM型)
ベンケイソウ科の多肉植物はCAM型と呼ばれる光合成を行います。
一般的な植物の光合成との違いは、
夜間にCO2の吸収とO2の放出を行う
という点です。
なぜ昼間はCO2を吸わないのか。
多肉だけにサボッテンのか。
あ!ごめんごめん!
戻るボタン押さないで!(´;ω;`)
…夜にのみCO2を吸い込む理由は、多肉植物が自生している環境にあります。
多肉の自生地である高山や砂漠は、とても乾燥しているので、晴れた日中に気孔をあけてしまうと、水分が蒸発してあっという間に枯れちゃうのです。
そのため比較的涼しい夜にのみ、気孔を開けてガス交換を行います。
しかし、夜は涼しいですが、光がありません。ということは、光化学反応でATPもNADPHも作れないため、光合成はできません。ぴえん。
じゃあ、昼に使うCO2を夜のうちに貯めとこう!と思った多肉くんですが、葉っぱの中に蓄えられるガスの量もたかが知れています。
そこで、多肉植物は考えました。
CO2を別のものに変換して蓄えよう!
そうしてできたのが夜間にCO2をリンゴ酸として貯蔵するという仕組みです。
そうすることでCO2を扱いやすい液体として貯蔵できます。
・ CO2 + ホスホエノールピルビン酸 + NADH
→ リンゴ酸 +NAD(+)
そして、昼間にCO2が必要になったらリンゴ酸を分解して作り出します。
・ リンゴ酸 + NADP(+)
→ CO2 + NADPH + ピルビン酸
このCO2をカルビンベンソン回路で使用して光合成を行います。
ちなみにリンゴ酸という名前は、リンゴから見つかったから。
なめるとクエン酸みたいな酸っぱさです。
なので多肉も朝にかじってみると酸っぱい味がします(あと、オルトランの味もするね☆)
CAM型光合成のデメリット
ロスが多い
CO2がリンゴ酸を経由するので一般的な光合成よりもエネルギー
量に限界がある
一般的な光合成は光があたった分だけ反応が行われますが、CAM型光合成は貯蔵されたリンゴ酸の量が光合成の上限です。リンゴ酸の貯蔵量は、それほど多くないため、晴れた日は日没前に
O2が放出できない
しかし、多肉植物は昼間に気孔が開けられないため、葉っぱの中に
まとめ
まとめると、
・CAM型光合成は、夜と昼の分業制
・乾燥に強いけど、効率が悪い
多肉植物の成長が遅いのは、こういう理由だったんだね~。
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