多肉植物を大きく成長させるためには午前中が重要「密着!多肉植物の1日」

2021年5月25日火曜日

育て方 考察

t f B! P L



今回は多肉植物さんの1日にせまってみようと思います。


多肉植物の光合成は複雑

前回の記事ではCAM型光合成の特徴を紹介しました。



CAM型光合成の特徴は


「夜間に気孔を開けてガス交換をする」


というものでした。


しかし、厳密に言うと・・・

実は、午前中と夕方の涼しい時間にも気孔を開けてガス交換をしています(前回は黙っててごめんなさい)


そして、このときCO2を直接使用する一般的な光合成も行っています。

まずは下のグラフをみてください。


日本光合成学会のHPより引用


黒の実線はCO2の吸収量

破線は葉っぱ内のリンゴ酸量

点線が気孔の開閉(上に行くほど閉じている)

を表しています。


黒の実線をみてもらうと分かる通り、9~12時や15~18時の時間帯でCO2を吸収しています。これは、気孔を開けてCO2を使って光合成しているということを意味します。


あと注目なのはリンゴ酸量(破線)です。午前中でガクッと減って、15時までには、ほとんどなくなってます。なので15~18時は気孔で吸ったCO2オンリーで光合成しとるわけです。


多肉植物の行動は4パターン

多肉植物の体の中で起きている時間変化は、気孔の開閉を基準に4つの時間帯に分けることができるようです。

それぞれ以下のようになります。


Ⅰ期(夜)

気孔を開けてCO2を取り込みリンゴ酸を合成する。


Ⅱ期(朝~昼前)

気孔が空いた状態で光合成が始まる。CO2は気孔からの取り入れと、リンゴ酸の分解の両方で供給される。組織内のCO2濃度が上がり、徐々に気孔が閉じていく。


Ⅲ期(昼)

気孔を閉じて、リンゴ酸を分解したCO2で光合成を行う。


Ⅳ期(夕方~夜)

リンゴ酸が尽き、気孔が開いてCO2を取り込んで光合成を行う。



ちょっと分かりづらいですかね・・・。

じゃあ筋トレ好きの男に例えてみましょう!!



Ⅰ期(夜)

鶏むね肉とブロッコリーを食べまくる




Ⅱ期(朝~昼前)

プロテインを飲みながら筋トレ開始





Ⅲ期(昼)

筋トレMAXムキムキ!!!たまにお昼寝





Ⅳ期(夕方~夜)

夜に貯めたエネルギーが切れたのでプロテインがぶ飲み。

筋トレも徐々にスローダウン。






余計わかりづらくなった気がする・・・笑


重要なのは、お昼にガンガン日光を当ててもCO2が足りなくなっている可能性が高いということです。本とか見ると、育て方に半日陰(半日くらい日があたる所)に置けって書いてあるけど、もしかしたらそういうことなのかもしれませんね。



多肉は夜の間だけリンゴ酸を作る

光合成のカルビンベンソン回路では、CO2の取り込みにRuBisCO(ルビスコ)という酵素が重要な働きをしています。このルビスコは光を受けることによって活性化するので、光があるときにCO2は取り込まれて、光合成は進行します。昼でも夜でも光を当てれば光合成をしちゃうわけです。

一方で、CAM型光合成ではCO2からリンゴ酸を作るときにPEPCホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼという酵素が重要な働きをします。

このPEPCは、夜に活性化するんですが、夜かどうかの判断は光の量ではなく、多肉植物の体内時計で判断します。そのため、周りを暗くして夜だよ~って騙そうとしても、本当の夜の時間帯にならないとリンゴ酸を作りません。

お昼にリンゴ酸が切ちゃっても、その場でリンゴ酸を作れないわけです。なので、直接CO2を使って光合成をするんですね(そもそも、そのほうが効率的だし)

すごい不思議ですよね・・・ですよね?

まとめ

・午前中と夕方には一般的な光合成もする
・午前中が生育のピーク
・体内時計に合わせてリンゴ酸を作る

今回は結構ふざけちゃいましたが、重要な情報つまってたよね!?
多肉を育てるヒントになったら嬉しいです。


第3回おわり!!

またね!


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