多肉植物を知るためには、まず光合成について知ろう「光合成の仕組み」

2021年5月23日日曜日

育て方 考察

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多肉植物を大きく育てたい!子株をたくさん増やしたい!そのためには、まず多肉植物を知らなければ…ということで、仕事中にネットでいろいろ調査。調べた内容を何かに記録を残しておかないと忘れちゃうなと思ったので、記事にしていきたいと思います。

その名も”最強の多肉植物を目指して”。全4回を予定しています。まず第1回は一般的な光合成についてです。学校で習った内容の復習もかねてになりますが、少し踏み込んだ内容にもなっています。




光合成の経路

光合成は光のエネルギーを使用して、二酸化炭素を糖に変換するシステムのことです。

光合成は3つの反応に分けられます。


・光化学反応

・カルビン・ベンソン回路

・糖新生


光化学反応

光化学反応は、光によるATP,NADPHの合成の経路のこと。

ATPとNADPHは、光合成を開始するための燃料みたいものです。

光化学反応には非循環型と循環型があります。「H(+)の濃度差でATPを作る」ということは一緒ですが、H(+)の濃度差を作る方法が異なります。



◇非循環的光化学反応


光と水からH(+)と電子を発生させ、H(+)の濃度差を作り、ATPとNADPHを作りだす反応です。大きく分けると以下の2ステップです。


葉緑体のチラコイド(光化学系I,II)で行われるH(+)とNADPH合成

・ 12H2O + 12NADP(+)

→  6O2 + 12NADPH + 12H(+)


チラコイド膜内側から外側へのプロトン濃度勾配を利用したATP合成

・ 72H(+)in + 24ADP + 24Pi

→ 72H(+)out + 24ATP


◇循環的光化学反応


手っ取り早くATPを作る方法です。NADPHは作られません。

この反応は効率が悪く限界があるので補足的に働きます。  

経路は、NADP(+)→NADPHの還元反応の代わりに、シトクロムタンパクというものをチラコイドの外側で直接還元し、その際にH(+)を外側から内側へ送り込んで無理やり濃度勾配を作ってATPを合成します。

重要なのは、ATPを作るのに水もいらない、酸素も出ないということです。これが多肉に有利に働きます(詳細はのちほど)


カルビン・ベンソン回路

ATPとNADPHを利用したCO2の固定経路のこと。

・6CO2 + 12NADPH + 18ATP

→ C6H12O 6 +12NADP(+) + 18ADP + 18Pi 

糖の材料となるフルクトース-6-リン酸を合成する反応です。


糖新生

フルクトース-6-リン酸からグルコースを合成する反応です。

このグルコースから更にセルロースが合成されて植物が大きくなっていきます。


以上が一般的な光合成の概要でした。


まとめ

・光合成は3つの段階に分けられる

・光化学反応には、水を使わない循環的光化学反応がある



第2回では、これらの反応機構と異なる仕組みをもつ多肉植物のCAM型光合成の特徴についてまとめました。みてちょ。


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